本部門は,保健学研究科の放射線リスクコミュニケーション部門と連携して,浪江町復興支援事業や環境省事業担い,放射線リスクコミュニケーションや環境放射線モニタリングに取り組んでおります。
弘前大学は,平成23年9月に福島県浪江町と連携協定を締結し,その後,部局横断的な福島県浪江町復興支援プロジェクトを立ち上げて,浪江町での様々な復興支援活動を展開しております。平成25年には現地の拠点として,「弘前大学浪江町復興支援室」を設置し,浪江町との連携を強化いたしました。
平成26年度から実施している浪江町復興支援事業では,環境モニタリング支援や健康相談,放射性核種の移行調査など,浪江町の再生・復興,町民の安心・安全,科学的知見の集積を支援するための活動を継続的に展開しております。
さらに,環境省事業である「福島県内における放射線に係る健康影響等に関するリスクコミュニケーション事業」等では,復興支援室に保健医療の専門家2名を常駐させ,浪江町との連携の下,戸別訪問による健康相談や「おしゃべり会」,「あっぷるサロン」といった対話集会を開催し放射線に関する情報提供を行うなど,浪江町民の放射線の疑問や不安について相談に乗り継続的なサポートを行い,町民のニーズに寄り添った多様な活動を実施しております。
また,放射線リスクコミュニケーション教育活動として学内外で教育活動を行っており,浪江町では,小学校の児童・生徒や学校教諭を対象に,食品検査や風評被害をテーマに基礎知識の提供等,小中学校と連携した放射線学習会企画等を開催しております。加えて,学内では学生を対象にした放射線リスクコミュニケーション教育をテーマとした講義を行う等,放射線リスクコミュニケーションの教育と実践において,教養教育や教職実践演習,リカレント教育の開講など,放射線リスクコミュニケーションを担う人材の育成に貢献しております。
本部門では,今後もこれらの支援活動の成果公表を積極的に行い,リスクコミュニケーションの構築に向けた活動と研究を推進して参ります。
活動内容
- 浪江町復興支援活動
- 町民の健康相談
- 被ばく線量把握の支援
- リスクコミュニケーション活動(教育活動・情報発信等)
活動紹介
あっぷるサロン
平成29年度から帰還をはじめた町民を対象とした対話集会「あっぷるサロン」は、帰還した町民同士の交流を深める機会であるとともに、健康相談や放射線相談のきっかけになり、常駐の健康相談員と町民との関係形成にも成果を上げています。
おしゃべり会
浪江町外(いわき市等の復興公営住宅)で生活している町民が健康および放射線に関して相談できる場を提供し、放射線に関する健康不安に対してリスクコミュニケーションを行っております。